尼崎デルタを形成した武庫川の旧分流の一つ、現在の河口より浜田付近までは明確な流路が認められるが、それより上流は不鮮明である。恐らく古代の蓬川は浜田付近で海に注いでいたものであろう。古い陸地に最も近い、長洲・難波・大島などの旧砂州列の間を南北に流れていたので、古代より武庫郡・河辺郡の郡界となってきた。江戸時代になると河口で蜆漁が盛んであった。現在は西難波町2丁目の難波樋門から尼崎港まで3,124mを蓬川と呼んでおり、1965年(昭和40)9月に2級河川に指定された。樋門より上流は浜田排水路(浜田川)と呼称している。
執筆者: 渡辺久雄