図3 古代山陽道と猪名県関連地名

7世紀後半〜8世紀に整備された古代の官道は、直線的な計画道路でした。図中の直線は位置関係から割り出した推定山陽道で、
伊丹台地の段丘〔だんきゅう〕地帯と猪名川の氾濫原を通っています。平安時代の宮廷貴族もこの付近を通過し「猪名の笹原」など
を歌枕に詠みました。狩猟地であり交通の要衝でもあったかつての猪名県の景観にふさわしいと言えるでしょう。9世紀頃まで狩猟
地でしたが、やがてこの地を与えられた上級貴族の荘園として開発されていきます。
ベースマップは、田中眞吾ほか『地形分類図 大阪西北部』(兵庫県、平成8年)。ただし、地形分類図・凡例・地形区分図は、適宜
縮小、配置しています。