近松門左衛門『国性爺合戦〔こくせんやかっせん〕』
(地域研究史料館蔵、堀江家旧蔵本)
日本人を母に持つ平戸生まれの鄭成功〔ていせいこう〕は明の将軍となって
清と戦い、日本に派兵や武具の援助を求めましたが、かないませんでした。
近松門左衛門『国性爺合戦』はこの鄭成功の史実をもとにした作品で、正徳
5年(1715)に人形浄瑠璃〔じょうるり〕として初演されると大当たりしました。
近世は多くの庶民が歌舞伎・人形浄瑠璃に熱狂し、書物を読み、俳句を楽し
むなど幅広く文化を享受できるようになった時代です。