三収組

さんしゅうぐみ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  梶源左衛門が肥料商の橋本吉右衛門や遠上藤助とともに設立した有限責任会社(のち無限責任の合資会社に改組)。1893年(明治26)10月11日創業(町役場宛届書記載の日付)、同月15日に開業式を行なったと『琴陽雑誌』第16号が報じている。資本金10万円のうち梶の出資は8万9,000円。はじめ紡績会社から出るくず綿・糸を再生する工場を旧尼崎城不浄門跡に設立したが、原料の綿くずが予想したほど豊富でなかったので紡績業兼営の計画をたて、1896年イギリス製機械960錘を設置した新工場を同じ城内の北隣に完成した。当時尼崎紡績のような1万錘規模の工場が加盟する紡績連合会のなかでは極小の工場であったが、1898年の最盛時には従業員200人、年間20万円の生産額であった。しかしその後業績は低下し1900年には紡績連合会に廃業退会届を出し、1902年ごろ三収組は解散した。

執筆者: 山崎隆三

参考文献

  • 絹川太一『本邦綿糸紡績史』第4巻 1939 日本綿業倶楽部
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