摂津国に居住した古代の氏族。「新撰姓氏録」によると、孝元天皇の皇子の大彦命の後裔であるという。伊邪那岐〔いざなぎ〕・伊邪那美〔いざなみ〕二神の婚姻によって生みだされた神々のなかに、木の神久久能智神〔くくのちのかみ〕があったことが「古事記」にみえており、久々智氏が木と関係の深い氏族であり、杣〔そま〕山の管理や運営を職としたことを暗示している。尼崎に久々知、有馬郡に久々地の地名が残り、久々智氏が猪名川や武庫川の流域に居住したことを推測させる。
執筆者: 長山泰孝
カテゴリ: 事項(古代)