享保の象行列

きょうほうのぞうぎょうれつ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  1728年(享保13)6月、将軍徳川吉宗に献上される象が2匹、交趾国〔ベトナム〕から長崎に入港した。うち1匹が長崎で病死したので、残る1匹を江戸まで無事に届ける事が、通行道筋に当たった領主達の負担となった。翌年3月13日長崎を出発した象行列の一行は、4月19日尼崎別所村に一泊した。翌日大坂へ送り出したが、長崎出発から1か月余りは、尼崎藩・町村役人・一般住民を含めての情報収集と受入れ準備に奔走することとなった。象の大きさ・飼料の種類と量、小屋の造り、象使いの待遇など集められた情報からは、この珍獣を好奇と驚異の目で送迎した様子が知られる。

執筆者: 山下幸子

参考文献

  • 山下幸子「享保の象行列」『地域史研究』第2巻第2号 1972
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