江戸時代に神崎川-淀川間を往復した手繰〔てくり〕船。今井道伴が創始したのでこの名があるという。尼崎では俗にイマイセと呼ばれた30石積以下の小型快速川船で、禁裏(京都御所)御用や京都市中への販売用の鮮魚運搬にあたるため、速力が出るよう船首を尖らせたのが特徴。一般荷物や旅客も乗せたが、淀川筋の過書船・伏見船などよりも船数は少なく、尼崎の今井船も1788年(天明8)には9艘、1838年(天保9)には12艘を数えるに過ぎない。
執筆者: 藤本篤
カテゴリ: 交通(近世)