南戸板遺跡

みなみといたいせき
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  市の北西部、旧友行南戸板(現武庫之荘7丁目)にある。遺跡は、標高約10mの洪積地に立地する。周辺は水田が残存している。1991年(平成3)11月、翌年1月に、倉庫、共同住宅建設にともなう事前発掘調査が行なわれた。調査の結果、遺跡には、遺物包含層がまったく遺存しておらず、遺構は、地山に直に掘りこまれたものが確認された。検出された遺構は、方形周溝墓、井戸、土坑、小ピットなどがある。遺物は、弥生土器、サヌカイト片が出土している。土器は全て破片で、表面が剥離しているものが大部分である。時期は、器形から弥生時代中期のものである。この遺跡は、南側に隣接する同時期の大集落である武庫庄遺跡との関連性が注目される。また従来、猪名川流域に比べ、弥生時代の集落跡が少ないといわれてきた武庫川流域の弥生遺跡が、近年相次いで確認されているなかで、性格のわかる遺構が確認された遺跡としての意義は大きい。

執筆者: 橋爪康至

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