叡尊
えいぞん
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
1201年(建仁元)5月 - 1290年(正応3)8月25日
真言律宗の開祖。字は思円、諡号は興正菩薩。戒律の復興を志して、奈良の西大寺で自誓自戒し真言律宗を開いた。朝廷や幕府の尊信をえて、蒙古襲来のさい、しばしば異国降伏の祈祷などもおこなった。しかし一方で、戒律によって民衆を救済することをめざして諸国を教化し、文殊信仰にもとづいて囚人・非人・乞食・癩者にも慈善救済の手をさしのべ、さらに架橋・殺生禁断をおこなうなど多彩な社会活動を展開した。尼崎へは1275年(建治元)8月に僧衆120人とともに来て、河尻の燈炉堂の近くに泊り、36人に菩薩戒を授けた。ついで1285年(弘安8)7月、播磨法華山一乗寺に赴く途中にも尼崎で一泊している。
参考文献
- 和島芳男『叡尊・忍性』 1959 吉川弘文館