名月姫

めいげつひめ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  伝説。摂津国御園〔みその〕之荘浜村(旧三反田村浜のあたり)の地頭三松国春の一人娘。才色兼備で知られた姫は、能勢家包に嫁したが、夫亡きあと尾浜に一堂を建立し、夫の菩提をとむらいつつ自らもそこに庵居したという。旧尾浜村村社八幡神社(現尾浜町1)の境内に、名月姫の墓、または塔と伝えられる宝篋印塔がある。名月姫に関する記述は、『摂陽群談』その他にあるが、姫は能勢家包にさらわれて妻となった、嘆いた父の国春が出家した、姫を尋ねて西国行脚していた国春が兵庫築島の人柱にされかかった、霊夢によって父の危難を知った姫が駆けつけ救われたなど、伝えるところの内容はかなり異なっている。

執筆者: 山下幸子

参考文献

  • 寺阪五夫編『立花志稿』 1940
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