士族授産

しぞくじゅさん
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  秩禄処分後窮迫しつつあった士族を救済するため政府は士族が産業に就くことをすすめる政策をとった。この士族授産政策の中心となったには1878年(明治11)5月の起業公債発行条例で、各府県にその士族数に応じて産業資金の額を定めて貸与することになった。兵庫県では1880年6月10万2,000円の士族授産金の貸与をうけて姫路・尼崎・龍野・洲本など県下において23社の士族の事業に貸し下げた。しかしこれらの事業は失敗したものが多く、1886年には4社が存続したにすぎなかった。その一つに尼崎の士族小森純一ら3名が起業資金2,000円の貸与をうけて1881年4月別所村に設立したマッチ工場慈恵社があった。これはのち小森個人経営として存続・発展し、県下で神戸につぐ尼崎のマッチ工業の中心となった。

執筆者: 山崎隆三

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