大山崎神人

おおやまざきじにん
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  摂津と山城の国境で淀川右岸の大山崎に本拠をおく石清水八幡宮の神人。中世には油座を結成して燈油の生産と販売に従事し、石清水八幡宮内殿の燈油を備進するなどの奉仕を行なう代償に、関銭・津料の免除、京都市中での燈油の専売権などの特権をもっていた。大山崎神人は隊商をくんで播磨・備前・阿波・伊予の西国はじめ、近江・美濃・尾張・伊勢などへ出かけ燈油原料の荏胡麻〔えごま〕を買い付けたが、1222年(貞応元)美濃不破関の関銭免除を史料上の初見に、関銭・津料免除の特権を得ており、淀・河尻神崎渡辺兵庫など尼崎や近辺の関銭・津料も、1311年(応長元)までに免除されていた。しかし特権は諸関によって無視されることも多く、南北朝時代以降、大山崎神人に対する違乱停止を命じた綸旨、将軍家御判御教書〔ごはんのみぎょうしょ〕・管領施行状〔かんれいせぎょうじょう〕などがたびたびだされている。大山崎神人・油座が保有してきた文書は、離宮八幡宮文書として伝来する。

執筆者: 熱田公

参考文献

  • 『大山崎町史』本文編 1983
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