如来院応永32年梵鐘
にょらいいんおうえい32ねんぼんしょう
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
寺町の如来院所蔵。青銅製で完全。総高89.8cm、口径は南北52.9cm、東西52cm。乳は4段4列で完存し、撞座〔つきざ〕は正背二面にある。銘文は池の間3区にわたり、第1区と第2区は本銘、第3区は追銘である。本銘は9行計47字、追銘は5行計46字を陰刻している。
本銘中の椋橋東庄内島堂は、豊中市の島田(現名神口)にあたるが、島堂の地は名神高速道路のインターチェンジ敷地になった。文中の大公は大工で、鋳造技師にあたる。追銘の西楽寺は不明であるが、河島は現在京都市西京区に属し、旧山陰道沿いの地名。倉は土倉であり、この時代の金融業者。小春は旧暦10月の異名である。この鐘が如来院に所有されることとなったいきさつは不明だが、1443年に河島の土倉から買得されて西楽寺へ移ったことが知られる。1984年(昭和59)市文化財に指定された。
1984年(昭和59)3月26日、如来院応永32年梵鐘(如来院銅鐘)は尼崎市指定文化財に指定された。
参考文献
- 『尼崎市史』第10巻 1974