河尻にあった、平氏政権の有力者・五条大納言(正二位、権大納言)藤原邦綱の別荘。寺江亭・寺江頓宮などとも呼ばれ、1180年(治承4)6月、京から遷都した福原(現神戸市兵庫区)に向かう後白河法皇・高倉上皇・安徳天皇・平清盛らの宿舎となったのをはじめ、京と西国方面を行き来する際に皇族・貴族らが立ち寄った。塩野義商店杭瀬工場敷地内の左門殿川川床には、礎石と思われる石材が沈んでいたことが、『兵庫県史蹟名勝天然紀念物調査報告』に記録されている。
執筆者: 地域研究史料館
参考文献
- 『兵庫県史蹟名勝天然紀念物調査報告』第16輯 1942 兵庫県