寺町にある浄土宗・知恩院末の寺院。山号は十劫山、院号は正覚院。『尼崎志』は、法然に帰依した平重盛が西仙坊心寂を招いて1177年(治承元)東長洲に一寺を建立したのが専念寺の初源としている。のち天正年間(1573~1592)天誉滴(または満)翠意上人中興開山。「明治12年寺院明細帳」(『地域史研究』第7巻第1号)に1683年(天和3)開基とあるのは誤りであろう。また、重盛菩提所であったことから丹塗りの山門を許されたと伝えられ、現在も朱塗りの山門を配し、「赤門の寺」「赤門さん」の通称がある。近世尼崎城築城にともない元和年間(1615~1624)に寺町に移転したと考えられる。
執筆者: 地域研究史料館