1777年(安永6)発行の泉屋利兵衛銀札・加島屋富三郎銀札、1818年(文政元)発行の尼崎引替役所銀札(日付は安永6年)の10匁札には、裏面に「よつのときめく〔ぐ〕りてやます〔ず〕」の12文字のうち1字を頭文字として、「よ壱万弐千八百三拾弐」というふうに札番号が墨書され兌換紙幣であることを示している。このためこれらの銀札は「尼の十二札」といわれた。なお同じ日付の銀1匁、5分札にも同義の「四時廻不止」としるした角印が押されている。天保以降札番号のない役所銀札が現れ不換紙幣と化したことを物語っている。
執筆者: 八木哲浩
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