尼崎競走場
(尼崎ボートレースより転送)
阪本勝市長の発案により、阪神本線沿いの大庄湿地帯を掘削して西字東惣新田(現水明町)に開設されたモーターボート競走場(競艇場)。公営競艇による財源の確保と掘削土砂による湿地帯埋立、学校・公園用地造成を意図して設置された。1952年(昭和27)3月に競願の西宮市をおさえて認可を受け5月起工、突貫工事のすえ8月完成、9月14日に初レースを開催した。敷地面積12万1,521m2、競走水面6万5,106m2、建物敷地5万6,415m2、高さ7mのスタンドは収容人員3万人であった。開業と同時に阪神電鉄尼崎センタープール前駅設置(臨時駅、1963年常設化)、また開業の翌1953年から伊丹市が施行者に加わった。1954年には防潮堤完成記念の産業博覧会が、競走場と甲子園阪神パークに会場を分散して開催された。開業の翌1953年には尼崎市の開催レースが年間173日・総売上11億700万円・純利益2,129万円、以後純益が次第に伸び市の貴重な財源となったが1960~1962年には廃止問題が浮上、賛否両論が紛糾するなか結局存続し現在に至っている。この間1970年前後にはファンによる騒擾事件数回、1988年には警備担当の尼崎西警察署の施設整備代行や備品提供・過剰接待など市と警察の癒着が発覚した。1991年(平成3)1月9日には専用場外発売場としてボートピア姫路がオープン(6月以降は尼崎競走場に加えて住之江競艇場の場外発売も取り扱い、後に他の競艇場のSG競走等の舟券も併売)、1999年4月28日には2番目の専用場外発売場としてボートピア神戸新開地(尼崎、住之江に加えて他の競艇場のSG競走等の舟券を併売)がオープン。2010年(平成22)4月から「ボートレース尼崎」という呼称の使用を開始した。
開業以降施設の整備を進めてきており、2000年11月には改築整備事業により新スタンドがリニューアルオープンした。また、2022年(令和4)4月10日には、ボートレース場内の親子の遊び場として「BOAT KIDS PARK Mooovi あまがさき」(Mooovi モーヴィ)がオープンした。
参考文献
- 『尼崎競走場40周年誌』 1993 尼崎公営競艇施行者協議会