尼崎今昔物語
あまがさきこんじゃくものがたり
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
畠田繁太郎著、1937年(昭和12)7月萬有社発行。四六判、本文570頁。1964年4月ようやまはくいち(陽山泊市)の手により復刻・再版された(伊藤靖発行)。
阪本勝の初版序文によれば、阪本は消え去り忘れられようとしている旧来の尼崎町の記録を今昔物語として残したいと考えていた。畠田が執筆して阪本のもとに持ち込んだ原稿が、この阪本の考えと一致したことから、阪本の尽力により発行された。
著者の畠田繁太郎は1869年(明治2)城下西屋敷に生まれ、尼崎の小学校教員を長く勤めたのち関西法律学校を出て大阪府立の高等女学校教員を歴任、最後は市岡高等女学校の初代校長を勤めた。阪本勝の父、準平の竹馬の友であったという。
内容は、1「俺〔おいら〕は広小路が好きだ」からはじまって194「尼崎と楠公さん」195「結語」まで195項目にわたり、明治期から昭和初期までの旧尼崎城下を中心に、人物・名物・風俗・伝承などを活写している。近代はじめの旧尼崎町の様子を知るうえで貴重である。