1614年(慶長19)11月に始まる大坂冬の陣にさきだち、徳川方が尼崎城の守りを固めるため、同年5月11日に池田重利を任命した職。当時尼崎城には、豊臣氏の尼崎郡代として建部政長が在城していたが、政長は郡代職と知行継承時の家康の恩義をもって徳川方に組する情勢にあった(建部家系図/『尼崎市史』第5巻)。大坂ののど元を制する尼崎城を守る政長がまだ12歳の幼少であることから、家康の密命により重利に甥政長の後見が命じられたのである。重利は冬の陣に引き続いて翌年の夏の陣においても尼崎代官の職にあった。
執筆者: 地域研究史料館