尼崎志

あまがさきし
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  永尾利三郎著、全3篇、尼崎市発行。第一篇が1930年(昭和5)5月発行、本文715貢。第2篇が1931年11月発行、本文858貢。第三篇が1935年2月発行、本文456貢。菊判。1974年1月名著出版復刻。

  市は市制実施5周年記念事業として1920年(大正9)に市史の調査を開始し、1922年12月には臨時市史編纂部を設置、市立図書館の永尾利三郎が主事を兼務し、1929年(昭和4)まで史料の調査・収集ならびに整理を継続したうえで、執筆・刊行に取りかかった。

  内容は、第1篇が寺院篇で、当時の市域(現本庁地区)の寺院についての総説と各説、辻地蔵・墓所・寺院関係の旧小字の解説。第2篇は当時の市域の神社・神道・仏教会・キリスト教・講の解説および金石文一覧表。第3篇は尼崎城・尼崎魚市。各項目について、個々の由来・沿革等を詳細に調査・記述しており、また廃寺などすでにない施設についての記述や、現在では所在不明の史料にもとづいた部分もあり貴重である。

  この時の調査による史料筆写原稿が一部残されており、それによれば3冊以外の刊行も計画されていたらしい。1936年小田村との解消合併が、事業中断の一因であったとも考えられる。

執筆者: 地域研究史料館

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