尼崎東発電所
あまがさきひがしはつでんしょ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
1925年(大正14)、東浜新田(現東浜町)の阪神電鉄東浜発電所の北側に設置された日本電力(株)尼崎火力発電所がその前身である。1923年6月着工、敷地約5.5ha、うち貯炭場約1.7ha、発電所本館約0.78ha。第1期工事は出力5万kW、翌年2.5万kW、1925年2.5万kWの工事完成。1927年(昭和2)8月、第2期工事にかかり、1928年9月には発電所の全出力が14万kWとなり東洋一の発電所となった。
1939年4月に日本発送電(株)に移管されて尼崎東発電所となり、1942年4月東浜発電所を統合、1951年5月には関西電力(株)に移管された。1964年4月いったん廃止されたが、その跡地に新しい火力発電所が設置されることになる。既存の送電線・揚運炭装置などの設備を有効に利用しようとしたものであった。1960年代、発電用燃料の主力はすでに石炭から重油へと転換していたが、政府の国内炭保護政策に協力する立場から石炭・重油混焼方式を採用した。着工は1963年1月、運転開始は1965年9月。発電所の容量は15万6,000kWとし、既設7万V送電線の需要に対応している。高潮・豪雨に対処するために、本館はO.P.(大阪湾最低潮位)+5.5mを1階床面とし、主要機器はさらに2.5m以上の高所に据え付けられている。1・2号機ともに全容排煙脱硫装置を設置。総工費約138億円。2号機の運転開始は1966年10月。
2001年(平成13)12月15日、尼崎第三発電所とともに尼崎東発電所は廃止された。
参考文献
- 社団法人日本動力協会『日本の発電所(中部日本篇)』 1937
- 『関西電力二十五年史』 1978