尼崎浦の漁船
あまがさきうらのぎょせん
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
船数は貞享年間(1684~1688)572艘、1788年(天明8)1,076艘(艜船共)、1838年(天保9)880艘(内12艘手繰船)と記録があり、種類別内訳は1734年(享保19)尼崎「御領分船数之覚」に手繰〔たぐり〕船6、猪牙〔ちょき〕船408、貝漕〔かいこぎ〕船212、持網船4、網船大小17、ふか取船7、計654艘とある。手繰船は小さな底曳網を引く小漁船。猪牙船は、手繰り網より大規模な底曳廻網の打瀬〔うたせ〕網を引いた。また、尼崎の猪牙船には尼崎名産の鳥貝を運び、売るための鳥貝船と称される船も含まれていた。貝漕船は鉄の貝桁を仕掛けた曳網により鳥貝などの貝をとる船で、この船の多さが尼崎浦漁業の特色である。なお、『兵庫県漁業慣行録』(1890年・明治23完成)によれば、尼崎町97艘・別所村11艘・大物村21艘(別所・大物は貝漁船ばかり)に減少している。