消防署
(尼崎消防署より転送)
1941年(昭和16)9月に定められた特設消防署制度にもとづき、同月、尼崎市の警防団常備部が県警察部の監督下に尼崎消防署として発足することとなった。これは、軍需工場が集中しているため防火体制の強化が必要と判断した市が、前年1940年7月に6大都市と同様の特設消防署設置を陳情したことによるものであった。北城内の尼崎警察署内にあった警防団本部を仮庁舎とし、2出張所・人員33名・車両3台を擁した。1942年の尼崎市と大庄・立花・武庫村の合併により、消防署の管轄も旧3村を含む区域に拡大された。1943年9月、昭和通2丁目(玉江橋東詰)に庁舎を新築・移転、1944年1月には尼崎消防大隊と改称され管内重要工場等15か所に出張所特設、一部警防団員の特別消防員編入や四国・京都方面からのポンプ車緊急応援などの戦時防空強化策がとられ、1945年1月には署員278名(応召者29名)・ポンプ車40台となった。
戦後、1947年の尼崎市と園田村の合併により伊丹消防署園田出張所も尼崎消防署の所管となった。同年12月制定の消防組織法が翌1948年3月7日施行され、消防は警察から分離し、尼崎市に移管され自治体消防となり、尼崎市消防本部・尼崎市消防署・尼崎市消防団本部が設置された。出張所も新築・開設等の整備の結果1950年には東・西・北の3か所となり、翌1951年4月には機構改革により尼崎市消防局が設置され、尼崎市消防署を中消防署とし、3出張所がそれぞれ消防署に昇格、4署体制となった。1962年10月には市役所庁舎新設にともない消防本部も東七松町の市庁舎に移転、1986年には昭和通2丁目の中消防署の位置に尼崎市防災センターを建設し本部を移転して7月業務開始、1990年(平成2)7月にはさらに上ノ島野上町(現上ノ島町3丁目)に北部防災センターを新設し、センター2か所・4消防署・3分署・3出張所および58消防分団の体制となった。
2011年4月1日、尼崎市は市防災センター5階に尼崎市・伊丹市消防指令センターを設置し、新消防指令管制システムによる消防指令業務の共同運用を開始した・
参考文献
- 『尼崎消防のあゆみ』 1986