尼崎耕地事務所

あまさきこうちじむしょ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  二代目尼崎伊三郎は尼崎本店の下部組織として尼崎汽船部と尼崎耕地部を設けたが、所有耕地の管理機関である耕地部の中在家町に置かれた出張所が尼崎耕地事務所である。1906年(明治39)それまで尼崎汽船精米部と称していたのを改称した。耕地事務所には主任(支配人)1名と書記(常務員)2名ほどが置かれ、主任は週2回本店で主人伊三郎に報告した。同所規程によれば、土地の管理・売買・小作・営繕・納税・農作物の調査および統計・小作米の処分・臨時的雇傭・銀行取引・金品出納の事務を管掌し、そのほかの重要事項は重役会に稟議された。また毎月貸借対照表、毎年決算報告、各種統計等が重役会に報告された。事務所では名代人に委嘱して小作米の徴収、地租諸掛りの納付を行ない、収納小作米は米商・精米所に販売したが、1914年(大正3)ころにはすべて尼崎汽船部に販売していた。

執筆者: 山崎隆三

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