岡村十左衛門銀札

おかむらじゅうざえもんぎんさつ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  1753年(宝暦3)尼崎藩領上之島組大庄屋岡村名義の銀札藩札)65貫が発行された。岡村は、それをすべて、金を借りている中筋村小池治右衛門に渡し、銀札は長年かけて回収する積もりであった。しかしその後100貫、65貫と発行を重ね、発行高は実に領内で最高の330貫に達した。発行のさい藩に差し入れた質物は自己の田畑だけでは足りず、大庄屋管下村々の田畑まで入れる始末であった。1764年(宝暦14)藩は突如岡村銀札の通用を停止した。これによって岡村は家計改善、銀札回収の方途を失い破産した。

執筆者: 八木哲浩

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