広済寺

こうさいじ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  久々知字宮ノ前(現久々知1丁目)にある日蓮宗・旧本満寺末の寺院。山号は久々知山。「明治12年寺院明細帳」(『地域史研究』第7巻第1号)には1714年(正徳4)日昌開基とある。また『小田村勢』には『摂津名所図会』を引いて957年(天徳元)源満仲勧請〔かんじょう〕、禅宗であったのを1714年に日昌が再興し日蓮宗に改宗としている。広済寺は元来久々知妙見の神宮寺であり、近松門左衛門ゆかりの寺院としても名高い。同寺の1716年(享保元)開山講中・翌1717年開山百講中連名や過去帳にも近松の名が見られる。境内には近松の墓があり、大阪法妙寺跡の近松墓とともに、1966年(昭和41)9月2日に国指定史跡に指定された。1975年(昭和50)には同寺に隣接して近松記念館も開設され、さらに周辺が近松公園として整備されている。

執筆者: 地域研究史料館

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