武蔵国埼玉郡忍(現埼玉県行田市)に城をおいた藩。1686年(貞享3)、藩主阿部正武(忠吉系)が老中であったとき、摂津国川辺郡において1万石の加増をうけ、市域岡院の一部と久々知が所領となった。1694年(元禄7)また1万石の加増を、川辺・武庫・豊島〔てしま〕・島下郡のうちにうけ、市域では椎堂・法界寺・瓦宮、富田・水堂・友行の一部が所領となり、その領有は1823年(文政6)陸奥国白河へ移封となるまで続いた。
執筆者: 山下幸子
参考文献
- 石川道子「関東譜代大名の上方領-武蔵国忍藩阿部氏の摂津飛地についての試論-」『地域史研究』第27巻第2号 1998