廃藩後政府は秩禄処分の準備作業として、1872年(明治5)正~4月に士族籍の整理を行なった。すなわち士族・卒の区分を廃止し、世襲のものすべて士族とし、一代限り抱〔かか〕えのものは平民とし、一代限り給禄をうけるものは一代卒となった。ついで男子・隠居などの給禄、救助・手当などの名目の禄・扶持は廃止した。尼崎藩では、1869年に給禄をうけていたものは士族529人、卒608人、合計1,137人であったが、そのうち男子・隠居などで給禄廃止のものが士族108人、卒66人、合計174人、その他種々整理の結果1872年には華族1人、士族395人、卒378人、一代卒7人、合計781人に消滅された。
執筆者: 山崎隆三