本興寺応永23年題目板碑

ほんこうじおうえい23ねんだいもくいたひ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  開明町3丁目の同寺境内北の墓地の西北隅にかつて建っていた3基の題目板碑の一つで、花崗岩〔かこうがん〕製、碑伝〔ひで〕式板碑。身部に題目を配し、その下方に刻出した蓮華座との間と、その左右に各1行の銘文を陰刻。

応永廿三年(応永23=1416年)/道観/五月廿六日

  板碑の本尊として題目を配したものを題目板碑という。とくに本興寺の境内には、題目塔とともに題目板碑が多く、寺格の高さを示す資料である。同時に、本興寺創建以前の古い板碑であり、本市における日蓮宗の歴史を知るうえで貴重。なお、注目すべきは下端の枘〔ほぞ〕で、もとは反花〔かえりばな〕式基礎上に建てたものであることを示している。板碑は下端を埋めて建てるのが本格であり、普遍的であるが、この例のようにごくまれに反花式基礎上に建てたものがあり、分類上、反花式基礎付板碑という。

執筆者: 田岡香逸

参考文献

  • 『尼崎市史』第10巻 1974

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