本興寺文書
ほんこうじもんじょ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
本興寺は、日隆上人が尼崎に創立した法華宗(本門流)の大本山。1420年(応永27)創建。1429年(永享元)に勧学院がたてられ、京都本能寺とともに両寺を大本山としてきた。所蔵文書は中世から明治にわたり、宗門関係のものが多いが、戦国武家文書も若干伝えられた。とくに管領兼摂津守護の細川勝元の書状が珍しい。細川氏の家老であった三好長慶とその配下の武将の出した禁制などは、本興寺と寺内町を保護したもの。本興寺の寺内町が従順に矢銭を支払った文書もあり、当時の寺内町研究に欠くことのできない貴重なものである。1571年(元亀2)11月に東西南北四門前組の町衆と民衆が契約を提出している文書は、法華衆の一味同心をよく示している。1985年(昭和60)市指定文化財に指定された。
2011年、本興寺の委嘱を受けた研究者が中世・近世の本興寺文書すべてを翻刻する事業が開始され、2013年4月にその第1巻が刊行された。
参考文献
- 『本興寺文書』第1巻・第2巻 2013 清文堂