本興寺に保存されている流水文銅鐸。兵庫県三原郡西淡町の本興寺末寺隆泉寺の旧蔵。淡路島内の出土と伝えるだけで詳しい出土地、出土年代とも不明。総高45.3cm、重さ4.3kg。鐸身には陽線による4条の流水文が両面とも上下2段に描かれ、その中間部に連続渦状文帯がみられる。表面はかなり磨耗しており、文様は薄くかろうじて見える程度。舞〔まい〕と裾〔すそ〕の長径および身の高さが4:6:8の比率で、鰭〔ひれ〕の幅が裾の長径の10分の1にあたる。前期鈕〔ちゅう〕式あるいは外縁付鈕式に分類される比較的古式の銅鐸である。鳥取県岩美郡岩美町本庄出土の銅鐸に近似する。
執筆者: 村川行弘