本興寺開山日隆上人墓題目塔
ほんこうじかいざんにちりゅうしょうにんはかだいもくとう
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
開明町3丁目の同寺歴住墓所にあり、多数並んでいる題目塔のうち最上段中央3基のうち左側の塔。花崗岩〔かこうがん〕製で、完全。基礎は反花〔かえりばな〕式、背面素面、3面は輪郭付格狭間〔こうざま〕入り。塔身は正側3面に輪郭を巻き陽刻蓮華座〔れんげざ〕上に題目を配し、正背2面に次の銘文を陰刻している。
笠と宝珠は一石より成り、宝珠は小花入単弁八葉を配した請花〔うけばな〕上に円錐形の台形を造りつけた珍しい構造である。銘文中の紀年銘は開山の没年次であるから、塔は日隆上人の入寂後間もないころの造立であろう。その構造手法はきわめて優れ、この年代の笠塔婆として代表的な遺品である。
参考文献
- 『尼崎市史』第10巻 1974