武庫川

むこがわ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  篠山盆地から流れ出ており、1965年(昭和40)9月に2級河川に指定された。延長65km、うち市域部分は10.03km、流域面積496km2。上流では加古川の上流である篠山川が、谷中分水界を切る形で田松川を通して武庫川に連結している。武庫平野に出ると宝塚・伊丹・尼崎・西宮の市境の一部を形成している。武庫川の上流は崩壊の進んだ花崗岩〔かこうがん〕質および凝灰岩〔ぎょうかいがん〕質の地質からなるのと、支流が多いために土砂の流出が著しく、中・下流で氾濫を繰り返してきた。下流では、宝塚市の逆瀬川合流点から河口までの武庫川改修1920年(大正9)7月から1928年(昭和3)3月まで県直営で2期に分けて行なわれた結果、ようやく根本的な治水対策が実現した。しかし、尼崎にとっては、この川が沖積平野形成のうえで極めて大きな役割を果たしてきたことを忘れてはならない。現在の庄下川蓬川は、いずれも、かつての武庫川水系の流路の名残りである。

執筆者: 渡辺久雄

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