池田炭

いけだすみ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  一庫炭〔ひとくらすみ〕ともいう、一庫村(現川西市)が原材となるクヌギ山(炭山)を持っており、10年ほど育てたクヌギを焼き上げた同村の特産品。江戸時代には、池田の市(現大阪府池田市)に集められ、尼崎・神崎などから諸方に積出された。創始は1574年(天正2)ともいわれている。切り口が美しい菊花のかたちをしているところから、茶道の発達とともに生産が盛んになり、また「献上御用」「御入炭」として禁裏・幕府に上納してきた。慶長年間(1596~1615)には、炭焼きがま除地の恩恵が受けられるようになったことが、1679年(延宝7)の検地帳にみえる。『毛吹草』『摂陽群談』『本朝食鑑』などにも、一庫の山より出る上炭と記述されている。

執筆者: 山下幸子

参考文献

  • 『池田市史』概説編 1971
  • 川西市史『かわにし』第2巻 1976
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