河内国魂神社

かわちのくにたまじんじゃ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  式内社、摂津国菟原〔うはら〕郡3座の一つ。小社。現在、神戸市灘区国玉通3丁目にある通称五毛の天神社と呼ばれる神社に比定されている。この神社の森は古くから「御影の森」と呼ばれている。

  摂津国西部に居住していたと考えられる凡河内氏が奉祀していた神と考えられている。凡河内氏は、本来は河内を本拠としていた豪族と考えられるが、当地方に河内国から遷し祭られたものと思われる。凡河内氏は、「続日本紀」慶雲3年(706)10月の条に、凡河内忌寸石麻呂が摂津国造であったとみえるから、この時期にも祭祀を管掌していたことがうかがえる。なお、747年(天平19)の「法隆寺伽藍縁起并流記資財帳」には、摂津国雄伴郡宇治郷の宇奈五岳の西に凡河内寺山と呼ばれる山(神戸市兵庫区会下山付近)がみえるので、神社のほかに氏寺も建立していたと思われる。

執筆者: 福島好和

参考文献

  • 『兵庫県史』第1巻 1974
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