渡海船

とかいぶね
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  近世の海上輸送の貨客船。船の大きさは100~800石積、5~18反帆程度で大小がある。尼崎渡海船は『和漢船用集』に「西宮渡海より小し、日々大坂に往来候」とあり、小形の船で主として尼崎-大坂間のほか西は兵庫から南は堺までの輸送にあたった。1667年(寛文7)の一記録に、尼崎港は川口が浅く100石以上の荷を積んで出入りできず、渡海船には小舟が多いとあるので、100石未満の小舟が多かったと考えられる。しかし船数は1734年(享保19)には266艘を数え兵庫津241艘、西宮浦36艘など近隣諸港に比して多数であった。1864年(元治元)の尼崎-大坂間の運賃は、米10石が500文、炭100俵が1貫文などとなっている。

執筆者: 山崎隆三

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