湊川神社
みなとがわじんじゃ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
1872年(明治5)に創建された、楠木正成をまつる神社(神戸市中央区)。江戸時代前期には正成の墓所と伝える塚があるのみだったが、同所(坂本村)を領した尼崎藩主青山幸利が塚に松梅を植え石塔を安置して墓標としたとされている。その後1692年(元禄5)徳川光圀によって新たに墓碑が建てられ、1751年(宝暦元)には尼崎藩主松平忠名がその碑前に灯籠を寄進している。1759年には街道から墓碑への道もひらかれ、民間信仰としても広がった。幕末には勤皇思想の高揚とともに参詣者も増加した。尼崎藩主は以後忠告・忠宝・忠誨・忠栄・忠興と代々灯籠を寄進しており、常夜灯の油料も藩が下付していた。寄進の灯籠は今も存置している。
参考文献
- 藤田精一『楠氏研究』 1915 広島積善館
- 森田康之助『湊川神社史』 祭神篇 1984・景仰篇 1978・鎮座篇 1987 湊川神社