灘目

なだめ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  西摂菟原〔うはら〕・武庫両郡の沿海地帯(現在の西宮市、芦屋市、神戸市東灘区・灘区・中央区)は、灘または灘目という。近世初期以来その大部分は尼崎藩領であったが、1769年(明和6)上知されて幕府領となった。この地域は良質の水と米、水車動力、輸送の便などの好条件にめぐまれて、18世紀はじめごろから酒造が発達し、特に1754年(宝暦4)にはじまる酒造勝手造りを契機として躍進した。そして18世紀末には先進の伊丹酒造などを圧倒して、江戸下り酒のなかで大きい比重を占めるようになり現在の「灘の生一本」の酒造地となった。

執筆者: 山崎隆三

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