猪名川水力電気

いながわすいりょくでんき
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  1909年(明治42)、川辺郡東谷村(現川西市)の野原種次郎・平安邦太郎、大阪の事業家森久兵衛らが設立した水力電気会社(株式会社)。1910年に川西村(同前)に臨時に造った火力(ガス力)発電所で創業した後、1912年6月東谷村国崎に猪名川の支流千軒川の水による水路式発電所を完成させ、本格的な営業に入った。水路延長約3km、取水量毎秒0.84m3、有効落差約65m、出力300kW。電灯用・動力用電気の供給を目的とし、川辺郡の大部分と武庫郡良元村(現宝塚市)・大阪府豊能郡池田町(現池田市)などを電気供給区域としている。尼崎市域では阪神電鉄による電気供給の及んでいなかった園田村立花村(一部)がこの恩恵を受けた。1921年(大正10)9月に阪急電鉄に委譲され、さらに1942年(昭和17)4月には関西配電(関西電力の前身)に譲渡された。

執筆者: 末尾至行

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