猪名野神社

いなのじんじゃ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  伊丹市宮ノ前3丁目にある。社伝は904年(延喜4)の草創とするが、この地は1574年(天正2)築造の有岡城(国史跡)の一画にあり、また「文禄伊丹之図」に当社が見えることから、創立は有岡城廃城から文禄年間の間(1579~1596)と考えられる。祭神は猪名野巫大神〔いなにいますおおかみ〕(建速須佐之男命〔たけはやすさのおのみこと〕=牛頭天王)ほか6柱。1601年(慶長6)豊臣秀頼により社殿が復興、江戸時代には近衛家の崇敬を受け、伊丹郷町の近隣14村の産土神として栄えた。猪名野の中心にあたるため「野宮」、また「牛頭天王宮」とも称したが、明治初年今の名に改めた。元禄から明治にいたる「猪名野神社祭礼絵巻」は御旅所のある猪名寺村(現尼崎市)への当時の神幸の有様を描いて貴重。

執筆者: 松下煌

参考文献

  • 大手前女子大学考古学サークル・大阪商業大学考古学研究会「猪名野神社の石燈籠」『地域研究いたみ』第17号 1988 伊丹市立博物館
  • 佐藤直市「伊丹市の神社の文化財」『地域研究いたみ』第21号 1992 伊丹市立博物館
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