琴陽会

きんようかい
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  旧尼崎藩士族を主な会員として創立された尼崎人の親睦会。1891年(明治24)5月に機関誌『琴陽之珠』(のち『琴陽雑誌』と改題)を創刊しているので、このころまでに発足したことがわかる。会の規則では、尼崎人以外でも会員2名以上の紹介のあるものは会員となることができた。創立当時の会員名簿によると会員は141名。その内訳を居住地別にみると、尼崎町50名、同町以外の川辺郡7名、西宮町12名、神戸市ほか県内9名、東京市34名(うち旧領主1名、在営者3名)、大阪府11名、滋賀県4名、京都市3名、その他8県に9名、不明2名となっており、全国的に広く散在しているがそのほとんどは旧士族と思われる。機関誌上においては遊廓設置問題をはじめ、尼崎の町政・経済・文化問題などが論じられた。『琴陽雑誌』51号が発行された1896年11月までは活動していたことが確認できるが、その後の会の存続については不明。

執筆者: 山崎隆三

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