伝説。常吉に多田源氏の四天王の一人であった渡辺綱〔わたなべのつな〕が住んでいた。そのころ都の人びとに恐れられていた羅生門の鬼を退治にいき、その右腕を切り取ってきた。門戸を閉じて7日間の物忌みをしているとき、渡辺の里に住むおばに姿を変えた鬼が腕を取りもどしにきて、腕をつかむや、破風を蹴破って逃げていった。それ以後、常吉では屋根を寄棟造りにして破風を入れなくなったという。
執筆者: 山下幸子
カテゴリ: 民俗