家禄奉還を希望した士族にたいして、その世襲家禄(家禄6年分)の半額に相当する額面の公債が与えられた。これを秩禄公債という。8分利付の公債で、1874年(明治7)以降発行された。当時の政府公債のなかでは最も利率の高いものであった。しかし窮迫した士族はこの公債を商人や高利貸に直ちに売り払うものが多かった。当時の尼崎では額面100円にたいして80円が売買の相場であった。1884年にはすべて償還が終った。
執筆者: 山崎隆三
カテゴリ: 明治維新(近代)