芦屋廃寺

あしやはいじ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  旧摂津国菟原〔うはら〕郡芦屋村西ノ坊の地域(現芦屋市西山町一帯)に存在する古代寺院跡。1907年(明治40)にすでに瓦の出土が知られている。1936年(昭和11)薬師堂跡が確認されたが、本格的な発掘調査は1967年になって実施された。その後、現在までに都合30次におよぶ部分発掘が行なわれたが、いまだ伽藍配置は明らかになっていない。法隆寺系の軒丸瓦が出土しており、創建は奈良時代前期にさかのぼる。「法隆寺伽藍縁起并流記資財帳」には菟原郡内に法隆寺領が存在したことが記されており、注意をひく。行基開創の伝承があるが、近年、鎌倉時代の再建が推定されており、そのころ以降の付会とみられる。

執筆者: 森岡秀人

参考文献

  • 『芦屋廃寺址』 1970 芦屋市教育委員会
案内
広告
検索

  
ヘルプ
ツール
索引