西川遺跡
にしかわいせき
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
西川2丁目の神崎浄水場南東部が遺跡地。1953年(昭和28)の浄水場拡張工事で遺物が検出され、東西60m、南北40m、深さ4mの工事現場で地表下2.5mに厚さ30cmの包含層を確認したが、遺物採集のみに終わった。採集された遺物は須恵〔すえ〕質土器、土師〔はじ〕質土器、木器類、骨類で、小壺〔こつぼ〕・椀・平瓶・鉢・皿などの須恵質土器がもっとも多い。赤釉壺・縁釉皿・銚子などもある。土師質土器には小椀・壺・甕、「案」また「安」らしき墨書銘をもつ皿がある。いずれも8~9世紀に比定できる。黒色土器は皿と椀。端部に小孔のある棒状土錘も出土。ほかに弥生土器と岡山県にみられる特殊台形埴輪〔はにわ〕片が出土している。また、30歳くらいの男性の人骨と1体分の獣骨(ウシか)が出土。奈良時代の瓦も若干出土した。河川の氾濫で埋没した8~9世紀の住居跡と推定される。