西武庫須佐男神社十三重塔
にしむこすさのおじんじゃじゅうさんじゅうのとう
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
武庫元町2丁目(旧大字西武庫)にある当社社殿の東南方に直接地上に建っている。花崗岩〔かこうがん〕製で後補の相輪を除き各部を完備している。相輪を除く現高は約410cm。基礎は四面素面であるが、塔身の三面には線刻蓮華座〔れんげざ〕上に舟形を彫り込み、内に仏座像を配している。南面は定印の弥陀、西面は釈迦、北面は円頭で左手に宝珠を捧げているから地蔵である。銘文は素面の東面に7行計39字を陰刻。
伊派の石大工行恒の作品と推定され、阪神地区における十三重塔の代表的遺品。1968年(昭和43)県文化財に指定。
西武庫須佐男神社十三重塔は、1995年1月17日の阪神・淡路大震災により倒壊し、修復前に仏坐像を刻んだ塔身が盗難に遭い行方不明となった。このためその後は、同寸の花崗岩により塔身部分を補い復元されている。
参考文献
- 『尼崎市史』第10巻 1974