貴布禰神社(長洲)
きふねじんじゃ(ながす)
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
東長洲字南畑(現長洲中通3丁目)にある東長洲の氏神。近世には貴布禰大明神と称した。『小田村勢』は、平安遷都の際に運船を仕立てた紀氏が同地に紀船〔きふね〕社を祭ったことを、同社の由縁としている。一方『尼崎志』は、長洲および西本町貴布禰神社と大和丹生〔にゅう〕川上神社・京都貴船神社のつながりを示すさまざまな所伝を紹介・考察し、紀氏とのかかわりには否定的である。また同書は、西本町貴布禰神社の故地が長洲貴布禰神社の地であるとしている。
「明治12年神社明細帳」(『地域史研究』第6巻第3号)には、祭神は高龗神〔たかおかみのかみ〕、1915年(大正4)に同村熊野神社・厳島神社を合祀し、祭神に伊弉諾尊〔いざなぎのみこと〕・市杵島姫命〔いちきしまひめのみこと〕を加えたとある。祭神は現在も同じ、末社に愛宕大神がある。