辰巳八幡神社文保3年五輪塔残欠(基礎)

たつみはちまんじんじゃぶんぽ3ねんごりんとうざんけつ(きそ)
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  東本町1丁目(近世の辰巳町)の辰巳八幡神社境内にある。残っているのは花崗岩〔かこうがん〕製の基礎だけで、高さ約28.8cm、幅は上端で41cm。庚申塔の台石になっている。各面にアの四転の梵字を配し、アンの面の左右に各1行計10字の銘文を陰刻。

文保三年己未(文保3=1319年)/アン/四月六日

  梵字はアの四転であるが、もとは各輪の四方に配した四門の梵字の下の4字であり、四方仏としての種子〔しゅじ〕ではない。基礎だけの残欠に過ぎないが、市内に分布している鎌倉時代の在銘塔3基のうちの1基であるだけでなく、市内で在銘最古の資料である。

執筆者: 田岡香逸

参考文献

  • 『尼崎市史』第10巻 1974

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