農兵
のうへい
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
幕末期、外国艦船来航と国内の政治情勢の緊迫によって軍事力の強化が必要とされたので、旧来の武士による軍事組織を補強するために多くの藩が農民から兵員を徴募して編制した軍隊。長州藩の高杉晋作が組織した奇兵隊は有名。尼崎藩では、1863年(文久3)正月瓦林組17か村から49人の上層農民の子弟を集めて砲術の調練が行なわれ、つづいて1865年(元治2)4月から荒牧組村々の農民を対象として鉄砲の調練が行なわれた。さらに1867年(慶応3)には農兵によって西洋流銃隊が編制された。この銃隊は小頭4人、組子66人で構成され、隊員には足軽なみの扶持米が支給された。農兵銃隊は正規の武士にまじって藩の兵力に編入され、幕末維新期の藩の軍事行動に参加した。