海関・河関通行免許の過書、つまり関料免除の手形を持つ大型の川船。天正年中(1573~1592)、豊臣秀吉の朱印状を受けて、淀船の独占的支配を認められていた河村与三右衛門・木村宗右衛門が、1603年(慶長8)10月、徳川家康から大坂・伝法・尼崎・山城川・伏見間運航の朱印状を交付され、過書座の支配下に属して過書船と呼ばれるようになり、次いで1615年(元和元)河村氏に代わり角倉与一が過書奉行となった。
執筆者: 藤本篤
カテゴリ: 交通(近世)